2024年度 里山ウオーク


(当日配布資料の一部)


公募市民20名、環境マイスターガイド8名、市役所環境政策課職員2名、市役所提供のバスで川口公園まで移動しました。 

今年の春の里山ウオークは、筑波台地の西側の低地を流れる小貝川・鬼怒川が作った旧河道や旧堤防、後背湿地が今も残っている上郷ジオサイト、大地の公園です。このような地形がどのようにしてできたのか、12万年前の古東京湾や古鬼怒川まで遡って関東平野や筑波台地の形成過程を詳しく紹介しました。一方で洪水対策として高く頑丈に築かれた小貝川の堤防を歩きながら、河川工事や洪水の歴史、後背湿地に作られた川口公園や川口用排水機場、遥か遠くに霞む筑波山や豊田城の歴史についても紹介しました。長い立派な土手を歩きながら雷や植物のクイズに参加してもらい、建設より90年を迎える福来橋から河川敷に建つ金村別雷神社を見て、河川敷にありながらこれまでの幾度となく発生した洪水時に水に浸かることが無かった水の神様の神力を感じて頂きました。神社拝殿の特別拝観をさせて頂いた所宮司さんより平将門の時代からの歴史と信仰について伺い、ご祖父様が描いた横山大観直伝の天井一面の116枚の百穀画の作品を間近で拝見することができました。境内で昼食を摂り復路は赤ぼっけ遺跡で縄文土器の破片を探し、旧河道の東側を通って土手に佇む水神碑から、川の交通で栄えた村の産業と河岸、道に佇む馬頭観音碑等、当時の村生活に思いを馳せました。小貝川周辺の台地には縄文時代の遺跡が沢山あり古代より人が住み、近代では小貝川と江戸を結ぶ宿場町として桑の生産で栄えた町の歴史を紹介しました。春を迎えた小貝川はサシバが空を舞い、足元では春の草花が咲き乱れ、木々も一斉に芽吹きの季節、まさに里地笑う清々しい季節でした。咲いていた草花はフデリンドウ、スイバ、カラスノエンドウ、ナズナ、スズメノエンドウ、ホトケノザ、セイヨウタンポポ、ナガミヒナゲシ、ムラサキケマン、トキワハゼ、カキドオシ、ハルジオン、スギナ、オランダミミナグサ、コツブツメクサ、オッタチカタバミ、オニノゲシ、ノボロギク、キュウリグサ、カタバミ、アメリカフウロ、オオイヌノフグリ、タチイヌノフグリ、ハハコグサ、チチコグサ、ヤエムグラ、オニタビラコ、コハコベ、マツバウンラン、オニタビラコ、クサイチゴ、木々ではナツグミ、アケビ、エノキも花盛りでした。河川が作る独特の地形、上郷の自然と歴史を楽しんで頂きました。 

                                     企画担当 田上公恵